4. 労働基準監督署・ハローワークへの届出

労働基準監督署・ハローワークへの手続き

こちらは雇用に関わる届出です。 従業員を1人でも雇う場合は、労働保険への加入が必要になります。 労働保険は強制加入のため、加入手続きをしていないと法律違反となります。

スタート時に人を雇わず、代表取締役1人の場合は労働基準監督署・ハローワーク(公共職業安定所)への届出は不要です。 このステップは読み飛ばして構いません。従業員を雇う場合には、以下の届出を行います。

労災保険と雇用保険について

まずは、労働保険の中身を簡単におさえておきましょう。 労働保険には「労災保険」と「雇用保険」の2種類があります。

労働保険概要届出先
労災保険従業員が業務中や通勤中、ケガや死亡事故などがあった場合に備える保険労働基準監督署
雇用保険労働者が病気や事故など、何らかのやむを得ない事情で失業してしまった場合に、 再就職するまでの一定期間、お金を受け取ることができる保険ハローワーク

労働基準監督署への届出

労働者を一人でも雇えば、労働基準法の適用事業となります。 この場合は、下記の書類を労働基準監督署へ提出します。

提出書類概要提出期限
適用事業報告「労働者を雇って労働基準法の適用になりました」という報告書適用になってからなるべく早く
労働保険関係成立届「労働保険をよろしく」という届出最初の採用から10日以内
労働保険概算保険料申告書労働保険の保険料の報告書最初の採用から50日以内

労働保険関係成立届の添付書類として「履歴事項全部証明書」と「事業所の賃貸借契約書」も提出します。

また、従業員に時間外労働や休日労働をしてもらいたい場合は「時間外労働・休日労働に関する協定届」、 従業員を10人以上雇用する場合は「就業規則届」も提出します。

時間外労働・休日労働に関する協定届

法定の労働時間を超えて労働させる場合には「時間外労働・休日労働に関する協定届」も提出します。 従業員を雇った日の翌日から起算して10日以内に提出する必要があります。

労働基準法の36条が根拠になっているので「36(サブロク)協定」と呼ばれる届出です。 法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働してもらう場合や、休日出勤してもらいたい場合には、こちらを提出しましょう。 ちなみに、平成25年10月の調査では56.6%の中小企業がこれを締結していないという報告が出ています。

就業規則届

「常時10人以上の労働者を使用する」場合は、「就業規則届」も提出します。 従業員を雇った日の翌日から起算して10日以内に提出する必要があります。

ハローワーク(公共職業安定所)への届出

労働者を一人でも雇っていれば、雇用保険の加入手続きが必要です。 ハローワークへの届出は、労働基準監督暑へ労働保険保険関係成立届を行った後にする必要があります。

パートタイム労働者であっても、一定の基準にあてはまれば雇用保険の加入が必要です。 細かい規定はありますが、「1人以上の従業員を31日以上雇う見込みがある場合」は雇用保険に加入と覚えておきましょう。

提出書類概要提出期限
雇用保険被保険者資格取得届雇用保険の資格をください、という届出最初の採用から10日以内
雇用保険適用事業所設置届雇用保険の適用になったよ、という届出最初の採用から10日以内

これらの書類と一緒に提出するべき添付書類には、 履歴事項全部証明書をはじめとして労働者名簿や出勤簿など、様々なものがあります。 以下は大阪のハローワーク梅田の情報ですが、 こちらに分かりやすく情報がまとめられています。
事業所の雇用保険適用手続き - 大阪労働局ウェブサイト

本ページでは、労働基準監督署・ハローワークへの届出(労災保険と雇用保険)についてお伝えしました。 次頁では、年金事務所への届出(介護保険・医療保険・年金保険)について紹介します。

社会保険の種類加入・相談窓口
医療保険(健康保険)年金事務所
年金保険(厚生年金)年金事務所
介護保険年金事務所
労災保険労働基準監督署
雇用保険ハローワーク(公共職業安定所)

会社設立後にやる10のこと

  1. 登記事項証明書・印鑑登録証明書の取得
  2. 税務署への届出
  3. 税事務所・地方自治体への届出
  4. 労働基準監督署・ハローワーク(労災保険・雇用保険)への届出 ←いまココ
  5. 年金事務所への届出(介護保険・医療保険・年金保険)
  6. 法人用の銀行口座を開設
  7. 法人用クレジットカードの作成
  8. 法人用会計ソフトを用意
  9. 会社名刺の作成
  10. 会社ホームページの作成